概要

『メタバース進化論』を最近読んだのでその感想記事です。本当はキャンペーンに応募しようと思ったのですが、期日に間に合わなかったので自分のブログに書くことにしました。

この記事で伝えたいことは3つです。

  • メタバースが作り出す世界はワクワクする
  • メタバースに興味ある人はいますぐ『メタバース進化論』を読もう(もう読んでそうだけど)
  • ハリネズミ型の獣人型アバターはとても良くて素晴らしい

正直、内容としてはこれだけなのですが、以下は思ったことを書いていきます。

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あなたは誰?

鹿児島でフリーランスエンジニアとしてアプリ開発をやってます。開発業の傍らでギルド・コミュニティ活動やVTuberのプロデュース活動的なことをやってる人です。 「cluster」というソーシャルVR内でのエンジニア系のイベントに結構顔を出してます。

メタバースとは

メタバースの概念は最近になって広まったもので、明確な正解がありません。Wikipediaでは以下のように記載されていますが、解釈は人それぞれな状態で本やサイトによっては?となるような記述もあります。

メタバース (英: Metaverse) は、コンピュータやコンピュータネットワークの中に構築された、現実世界とは異なる3次元の仮想空間やそのサービスのことを指す。日本における意味合いにおいては基本的にバーチャル空間の一種で、企業や2021年以降新たに参入した人々が集まっている商業的な空間が主にそう呼ばれる。将来的にインターネット環境が到達するであろうコンセプトで、利用者はオンライン上に構築された3DCGの仮想空間に世界中から思い思いのアバターと呼ばれる自分の分身で参加し、相互にコミュニケートしながら買い物やサービス内での商品の制作・販売といった経済活動を行なったり、そこをもう一つの「現実」として新たな生活を送ったりすることが想定されている。 (Wikipediaより引用)

本書では、以下の7つをメタバースの要件として定義した上で話を進めています。それが正しいかどうかは重要ではなく、筆者の前提を読者と共有することで、その後の話がしっかりと入ってくるようになっています。

  • 空間性
  • 自己同一性
  • 大規模同時接続性
  • 創造性
  • 経済性
  • アクセス性
  • 没入性

この前提に立つと、「メタバース≠NFT」であり、「メタバース≠VR・AR」であることがよく分かります。個人的に昨今のメタバースとNFTを無理やりつなげて話を進める流れには違和感を感じていたので、この前提はすんなりと入り込みました。

よそのメタバースとNFTを絡めた話には「それって月の土地の権利書と変わらないのでは」と思うようなものもあり。

ソーシャルVR

「メタバース」と聞いて真っ先に思い浮かぶのが、「cluster」や「VRChat」などのサービスではないでしょうか。本書では、各サービスを「必要最小限のメタバース」と呼んで、7 つの要件に沿って解説してくれています。気になったサービスで遊んでから、この章を読むと良いかもしれません。

個人的には「cluster」がお手軽にソーシャルVRを体験できるので、これらのサービスを触ったことがない人はぜひ触ってみてください。(没入感は落ちますが、スマホだけでも楽しめます)

ただしソーシャルVRに関しては、VRで自分の好きなアバターで動き回るには技術的な知識が多く必要になるという問題があります。僕自身もUnityは最低限触れますが、ソーシャルVRで動かすための調整を自分で行うのはかなり難しいです。 (僕自身は VRoid Studio で作成したものを利用しています)

その他にも大規模同時接続が難しいという問題が取り上げられていました。ちょうどQiitaで似たような記事を見つけたので貼っておきます。

QiitaQiita メタバースの技術限界 2021/12/23に行われたe-ZUKA Tech Night vol.53 -メタバース-というイベントで、「メタバースのビジネスモデルと技術限界」という題名で発表させてもらいました。 その発表後、Qi...https://qiita.com/kotauchisunsun/items/61df6db21ac9baf09774

理想を言えば、スマホから簡単に少ない通信量でソーシャルVRが体験できればいいのですが、なかなか難しいですね。モバイルアプリエンジニアなんだからそれを作ればいいじゃないかというのはなしで。

メタバース内でのコスプレ

メタバース内ではざっくりと「名前」と「アバター」を設定することで自己表現が可能です。名前はSNS上でH.N.を使う人はいるでしょう。アバターはさらにその自由度が大きくなります。性別はもちろん、体型、人外の生き物にまでなることができるのです。

なりたい自分で居られることは、メタバースの要素の一つです。そして、そのなりきりは全メタバース内で共通である必要はないと思ってます。自分の所属しているコミュニティによって「名前」と「アバター」を変える、仮面を付け替えることができるのが理想だと思っています。

その仮面を付け替えたことによって、新たな人間関係(非人間もアバターもいまずが便宜上)が生まれることがあります。例えば、VTuberの場合、キャラクターのデザインイラストを作成した絵師さんを「ママ」、Live2Dなどのモデリングを作成したモデラーさんを「パパ」、同じ絵師さんから誕生したキャラクターを「〇〇(絵師さんの名前)家」と呼んで家族として扱う風潮があります。

メタバース内ではさらにこれが発展して、メタバース内での「友人関係」や「恋人関係」が誕生します。これらの関係性は、物理世界の関係性とは独立しています。つまり、物理世界の人間関係とは関係なく、別の人間関係を構築することができるのです。

余談ですが、個人的にはハリネズミの獣人型アバターを利用したいのにデフォルトでそれらを選ぶことができないため、やむを得ずヒト型のアバターを使うときがあります。犬や猫の獣人型アバターは比較的みかけるのですが、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」や「(どうぶつの森シリーズの)きぬよ」みたいな獣人型アバターはほぼないのです…。

メタバースと経済

経済というと「NFT」を想像する人が多いかもしれませんが、メタバースの経済はNFTなしでも十分に成り立つのです。「BOOTH」や「Skeb 」などがそれにあたります。それらのサービスを利用することで、アバターの衣装やアイテムを購入して身につけることができます。物理世界で言う「アパレル」的な領域ですね。

実際に、BOOTHからはいくつか衣装やパーツを購入させていただいています。

BOOTH - 創作物の総合マーケットBOOTH - 創作物の総合マーケットBOOTH(ブース)とは、pixivと連携した、創作物の総合マーケットです。無料で簡単にショップを作成でき、商品の保管・発送代行サービスも提供しています!https://booth.pm/ja

SkebSkebRequest Boxhttps://skeb.jp/

さらにはメタバース内での広告掲載や物販、イベント開催等物理世界でできていたことはメタバース内でも再現できる訳です。

「NFTと組み合わされば可能性が広がるじゃないか」という声もあるかもしれませんがそれはメタバースに限らずすべての業界に言えることです。NFTありきではありません。

僕なりのメタ解釈

これらの流れから、メタバースは「ある興味・関心によって集まったコミュニティ活動」も狭義としては捉えることができるのではないかと考えています。

2020年以降、新型コロナウイルスの影響でオフラインで集まってのコミュニティ活動が難しい状態になりました。一時期は、Zoomなどのビデオ会議ツールでオンライン交流を行うことができるようになりました。

しかしながら、ビデオ会議ツールでは「オフライン時の関係値の貯金」を切り崩してうまくやってるだけだったり、本書にもあるように「空間の共有」ができなかったりという問題を抱えています。

コロナ禍でのコミュニティ活動の苦労については、以前にも記事を書いてるので良かったらご覧ください。

コロナ禍の地方のエンジニアコミュニティのあり方 | メタバースで遊ぶ鹿屋・鹿児島のアプリエンジニアコロナ禍の地方のエンジニアコミュニティのあり方 | メタバースで遊ぶ鹿屋・鹿児島のアプリエンジニアメタバースで遊ぶ鹿屋・鹿児島のアプリエンジニアhttps://blog.kusutan.com/articles/c-dCMgEyPkuYtZbX90FDJx/

コミュニティを動かすうえでも不可欠な「空間性」が担保されてば、同時にそれはメタバースの構成要素も満たすのではないかと考えています。また、そのコミュニティではコスプレによって違う仮面をかぶることもできます。 「小学校時代の同級生内」での仮面、「職場の同僚内」での仮面、「趣味の集まり内」での仮面…。

場合に応じて自分の見せたい仮面を被ることで、コミュニティ内での交流を楽しくかつ簡単に行うことができるのではないでしょうか。

さいごに

とにかくいい本なので、『メタバース進化論』読んでみてください。メタバースの最近の風潮を疑問視してる人はすごく腹落ちするはずです。

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あとはハリネズミの獣人型アバターも良いですよ